専門学校で2級整備士資格と車体整備士資格を取得したのち、栃木トヨタに入社しました。栃木トヨタはマイクロバスやトラック、救急車やパトカーといった特殊車両を多く扱っていて、他では経験できないジャンルの仕事ができるのを魅力に感じました。また、整備だけではなく鈑金塗装という選択肢があることも大きな理由のひとつでしたね。
当社には鈑金塗装を専門とする3つのBPセンターがあり、私が現在所属するのがそのひとつ、本社BPセンターです。BPセンターには、傷やへこみなどダメージを受けた車が日々入庫してきます。車は人とは違い話ができないので、実際に見て触って損傷を確かめながら、最善と思える方法を探っていくしかありません。自分の技術力が仕上がりにそのまま表れるので、やりがいと同時に大変さを感じます。ときには「本当にこれが直せるだろうか」と思われるほど、破損の激しい事故車両に対応することもあります。数週間を費やすような大仕事になりますが、難しいものほどやり遂げたときの達成感は大きいです。
車への思い入れが深い方ほど、受けたダメージをできる限り元の状態に戻したいと考えるもの。たとえば、傷を修復し、塗装をする際には、その部分が目立たないよう周辺部分にぼかしを入れますが、それでも生まれる微妙な色の差異をどこまで許容できるかはお客様次第です。その方がどこまで求めているかが分からないからこそ、「どんな方でも満足いただける最高の品質でお返しする」が基本です。
また、損傷があまりにひどい場合、「この部分のパネルは交換するしかない」という事態もあり得ます。しかし、車種の関係で交換が難しかったり、「何とか直して費用を抑えたい」というご要望をお客様から受けることも。こちらとしても、できるだけ安く、できるだけきれいに直して差し上げたいのが心情であり、与えられた条件の中で「これが限界、やれることはやり切った」というレベルまでがんばり抜きます。
BPセンターでは個々のお客様と直接接する機会は少ないものの、店舗の担当者から「この前の車、お客様がきれいに直してくれてよかったと喜んでいましたよ」など聞くと、大変うれしいです。
自動車をめぐる技術は日々進化しています。ドアパネル一枚をとっても、メーカー側では軽量化や燃費向上のため「より薄く、より強く」を目指す傾向があり、次々と新たな鋼材が開発されてきます。素材が変われば、事故などで従来とは違ったダメージとなり、修理する側にはよりデリケートな取り扱いが求められることに。そうしたニーズに確実に対応していくため、私たちも新しい修理技術を取り入れ、工場全体でスキルアップしていかなければなりません。
鈑金塗装による「どう直すか」は、テクニックを超えた感覚的な要素も大きく、経験に基づいた勘どころが問わる職人の世界。集中力や根気が欠かせませんが、車をいじるのが好きという人には非常におもしろい仕事です。最初は思うようにできなかったり、すごく時間がかかっていたことが次第にスムーズにできるようになり、振り返った時、大きく成長した自分に気付くものだと思います。
定休日の月曜日には、日中はスポーツジムに通ったりして、ひとりの時間を楽しみます。夕方、小1と小3の子どもが帰宅すると、そこからは親子の時間。二人は私の休業日に合わせてスイミングスクールに通っているので、それに付き添うのが毎週のルーティンになっています。また、連休があれば小旅行に出かけたりして家族サービスに励みます。
職場は、自分の担当業務に支障がなければ有休も取りやすいため、運動会などの学校行事があれば積極的に参加しています。自分の趣味のために休むこともあり、この前は週末のマラソン大会に参加してきました。若手でもベテランでも関係なく、必要に応じてある程度柔軟に休みが取れるのは私たちの仕事の良さかもしれません。その分、出社日には当然集中して仕事に取り組みます!